
ここでは胸の真ん中が痛い場合に考えられる病気、肺血栓塞栓症について詳しく説明しています。
肺血栓塞栓症とは、心臓から肺に血液を送る肺動脈に血栓ができてしまうことで、心臓から肺への血流が滞ってしまう病気です。日本では少ないと考えられていた病気ですが、近年急激に増加しており発症者数は年間で10万人に3人ほどです。
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●肺血栓塞栓症の原因
肺動脈の血流が滞る原因としては他にも脂肪の塊、空気、腫瘍細胞などが挙げられますが、これら様々な原因によって起こる肺動脈の閉塞を肺塞栓症と呼び、肺血栓塞栓症の場合は血液の塊によって閉塞してしまった場合を指して言います。また、肺梗塞症とは肺塞栓症によって肺組織への血流が途絶え、その部分から先の肺組織が壊死してしまった状態をいいます。この病気の原因として、航空機で長時間座った姿勢のままで下肢の血流が悪くなって出来た血栓が、立ち上がる際に血栓が肺動脈まで流れ着き詰まらせてしまう「エコノミー症候群」が代表的です。日頃から長時間座りっぱなしでデスクワークをしている人や、病気で入院中や寝たきりの方に見られます。脱水症で体内の水分が不足している場合などでも、血栓が出来やすくなり肺血栓塞栓症を起こす場合があります。
●肺血栓塞栓症の症状と治療
肺血栓塞栓症の症状は、突然の胸痛、咳、息切れ、呼吸困難などが挙げられます。血栓が大きく太い血管が詰まって血流が滞ると、ショック症状を呈して最悪の場合突然死してしまうケースもあります。治療法としては、血液が固まらないようにする抗凝固薬の点滴が基本となります。基本的に肺自体が血栓を溶かす機能が高い臓器なので、血栓が小規模であれば抗凝固薬の投与で経過を見ることになります。しかし、重症の場合は血栓を溶かす血栓溶解剤を使用したり、緊急時にはカテーテルを用いた血管内治療法や肺動脈血栓的叙述という外科手術を行う場合もあります。
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