ここでは胸の真ん中が痛い場合に考えられる病気、胃十二指腸潰瘍について詳しく説明しています。
●胃潰瘍と十二指腸潰瘍
潰瘍とは皮膚や粘膜の組織が破壊され、ただれている状態のことを指して言います。胃酸は強い酸性で、胃内を常に酸性で保ちながら、消化物を溶かす事と消化物の腐敗を防ぐ事の２つの役割を持っています。この胃酸の働きに不具合が生じることで胃の粘膜を傷付けてしまうと、胃潰瘍になってしまいます。sponsored link
そして十二指腸も同じく胃酸によって粘膜が傷付けられることで十二指腸潰瘍になってしまいます。これらを合わせて消化性潰瘍と呼びます。
両者の大きな違いとして、胃酸の分泌量があります。十二指腸潰瘍では圧倒的に胃酸の分泌が活発で過酸症であることがほとんどですが、胃潰瘍の場合は逆に胃酸の分泌は正常かやや少ない程度なのが特徴です。
また、十二指腸潰瘍は10〜20代の若い方に多く見られるのに対し、胃潰瘍は40歳以上の中高年の方に多く見られます。
●胃十二指腸潰瘍の症状と治療
潰瘍が進行して血管まで傷付くと、当然出血します。ここでの出血は吐血や下血といった症状となって現れ、胸の痛みも伴ってようやく病気に気付くということもあるでしょう。治療は基本的に出血の有無で治療法が変わります。出血がある場合は内視鏡を用います。止血剤を注射する、クリップをかける、レーザー照射によって血管を焼くなどの治療法があります。出血が無い場合は薬物療法になります。原因菌となるピロリ菌に対する抗菌薬や、ヒスタミンの分泌を抑えるH2ブロッカーなどを服用します。
これらの治療法でも改善が見られない場合や再発を繰り返している場合には、手術が必要となる場合もあります。手術では潰瘍が起こっている患部を切除することが基本となります。
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